治療は芸術である
私の経歴を知られた患者さんに、
「先生は、舞台芸術科を卒業されているのに、どうして治療の
世界に入ったのですか?」
と、よく聞かれることがあります。
確かに、芸術系の専門分野に進学することは覚悟が必要ですし、当時の
私は表現の世界で生きていくことを決意していました。
機会を見つけては絵を描いていましたし、休日はダンスに通っていて、
アートが身近かにあったのです。
その後、自然な流れで医療系に転向することになり、本格的に治療家
の勉強を始めてからは、そんな時間は全くなくなってしまいました。
そんなある時、臨床医学書にこんな言葉を見つけました。
治療は科学・哲学・芸術であるーと。
治療は芸術であるー。
私は無性に嬉しさが込み上げてきたのを今でも覚えています。
もし、それが本当なら求めてみたいと思ったのです。
治療院には、実に様々な患者様が来られます。
その方々を受けとめるには広いフィールドが必要です。
現在の私は、絵も描きますし、ダンスも踊ります。
このアートのフィールドが私の器を広げてくれているのを実感します。
芸術とは分かりやすく言えば「感動」を人に伝えていく事です。
芸術系にいた私が治療家に転向する決意をさせたそこには、大きな感動があったのです。
その感動を伝えていける施術を提供したいと、私はいつも思っています。